こんにちは。株式会社plan-Aの相澤です。今月もどうぞよろしくお願いいたします。
このコラムをお読みいただいている方のなかには、自治体職員の方もいらっしゃると思います。
都心部、地方問わず「まちづくり」の業務は必ずありますし、それこそが自治体の仕事とも言えるのではないかと思います。ここでいう「まちづくり」も商店街活性化から駅前再開発、さらには元行政用地の不動産開発のようなものまで多種多様にあるのではないでしょうか。
自治体での仕事はそれ以外にも多くの業務があり、もちろん職員の方々は全てに精通しているわけではないので、ある日突然まちづくりを推進する部署に配属になったとき、一体なにから手をつけてよいのか悩まれることもあるのだろうと推察します。
そんな方のために、今月のコラムでは「はじめの一歩」を踏み出せる本を紹介させていただこうと思います。
自治体・民間それぞれの視点が詰まった一冊
今回ご紹介したい本の名前は【公民連携事業ケーススタディブック2022 vol.4】です。
特定非営利活動法人 自治経営という団体が発行しており、現在はこのvol.4までが発刊されています。
自治経営は、全国で地域課題解決に向けて実践する公務員や民間人が集い、「そこにしかない暮らしがあふれる日本をつくる」をビジョンに、人材育成や地域事業支援、出版・情報発信を行う団体です。
まちづくりはどんな事業も行政だけではやりきれませんよね。民間の力も借りつつ連携して推進する性質のものばかりで、且つ昨今では難易度の高い計画も増えたと思います。なればこそ「公民連携」を入り口に、様々な事例を網羅的に知ることができる一冊です。

この本では、首都圏や特定の地域に偏ることなく、全国でのケーススタディを掲載しています。そしてそのケースも「PPP」「都市経営戦略」「民間事業」「マルシェ」「その他」と多様に取り上げられており、読む方の地域における課題や取り組みたいアイデアに近しいものから読んでいくことで親和性が高まると思います。
ケーススタディでは、プロセス・事業ストラクチャー・フローやスケジューリング・課題・行政や民間それぞれが苦労したポイントなどが関わった当事者の言葉で語られているなど、これでもかというほど余すことなくノウハウや情報が掲載されています。
そして掲載されているケース全てが大がかりなものではなく、そのどれにおいても「小さな一歩から」ということがとてもわかりやすく伝えられており、勇気をもらえるのではないでしょうか。
まちづくりとは人と向き合うこと
前回のコラムにおいても「まちづくりは人と向き合うこと」と書かせていただきましたが、この本においても人に向き合い、まちづくる大切さを強く感じさせられます。本の冒頭に次のような記述があります。
「そもそも、人口減少社会に入り局面の変わった我が国において、今までの一般解では到底、多くの問題を解決することはできないと思います。」
これまでの時代においては、「どこかで成功していた事例」をコピーすればなんとかなっていたのかもしれません。それが通用したのは「人口が増加していたから」という側面もあるでしょう。しかしここまで人口減少が顕著になりつつある日本において、どこかで成功していると思われる事例をそのままコピーしてまちづくりがうまくいくケースを見たことがありません。
当たり前ではありますが、必ず事業の成功の裏には“誰かのはじめの一歩”があり、その動きが影響を生み、それが有機的なネットワークを醸成していき、「あなたがいたからこそ」のまちづくりが生まれていく。これはこれまでの経験を含め強烈な実感値として存在しています。
「自分のまちをなんとかしたい」という想いに民間も行政もないはずです。
「自分のまちをなんとかしたい」という想いをお持ちの方は是非、この【公民連携事業ケーススタディブック2022 vol.4】を手に取り、本に登場する「初心者だった人たちの挑戦や努力した想い」にふれながら、あなたなりのはじめの一歩を踏み出していただければと思います。
※【公民連携事業ケーススタディブック2022 vol.4】は一般書店では手に入りません。Amazonなどでご購入ください。

プロフィール
相澤 毅(あいざわ つよし)
株式会社plan-A代表取締役、合同会社plan-A TOYAMA代表社員。Project Designer、Innovation Booster。大手生活ブランド勤務を経てから前職ではデベロッパーにて社長室に所属し不動産開発から海外事業におけるスキーム構築・広報PR・販売戦略・広告クリエイティブ・ブランディング・新規事業企画・商品開発・人材育成制度構築・産学連携など手がけてきたが、2018年5月に独立起業。今は不動産事業者や大手家電メーカーのコンサル、企業の事業開発参画、不動産開発事業、場のプロデュース、拠点運営、自治体とのまちづくりや創業支援、企業の取締役や顧問、NPO法人の理事等を手がけ、多様な働き方を実践している。